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ROTEX:青少年交換後のつながりを保つ

海外留学から帰国後に寂しさを感じる学生は少なくありません。国際的なつながりを保ちつづける方法の一つが「ROTEX(ローテックス)」です。

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リーカ・ムジェさんは、2011-12年度にロータリー青少年交換でフランスのブルターニュ地方に交換留学し、海外生活をエンジョイしました。「最初は難しかった」と回想するムジェさん。「フランス語が話せなかったし、知り合いもいませんでした。でも、いつのまにか異国での生活にすっかり慣れていました」

交換留学が終わってフィンランドに帰国したムジェさんは、母国での元の生活に戻るのに苦労しましたが、ROTEX(ローテックス)への入会でそれが変りました。「ROTEX(ローテックス)」とは、ロータリー青少年交換の学友によるグループで、ロータリアンと青少年交換学友とをつなぐ存在です。母国の交換学生のためのアドバイスやイベント企画を通じて、交換留学での経験をロータリーに還元しながら、国際的なつながりを維持しています。

トゥルク大学医学部5年生であるムジェさんは現在、フィンランドの5地区に80人以上のメンバーを有するROTEX フィンランドの会長を務めています。この度、ムジェさんにROTEXについて伺いました。

「ROTEXは、国際的な交流を続け、自分と同じ経験をした人たちと知り合うチャンスを与えてくれます」

ROTEXグループは世界各地にあるのですか?

地域によります。例えば、ドイツ、台湾、ブラジル、フィンランドではROTEXの存在が確立されています。ほかの国でも設立の動きがありますが、ROTEXがない国や、国際ロータリーから認定されていない国もあります。

ROTEXはこれまで、4回にわたり、毎回違う都市でROTEX国際大会を開いてきました。4年前、ROTEXへの認知を広げるために設立したRotex Internationalでは、異なる国から5名が理事会メンバーとなっています。昨年には、Rotex Internationalがロータリーの学友会として認定されたことで、正式にロータリーファミリーの一員となりました。

ロータリー青少年交換におけるROTEXの役割とは?

フィンランドでは、学生がロータリー青少年交換への参加を申請すると、ROTEXのメンバーが面接に同席して選考のお手伝いをします。また、海外に旅立つ学生のためのオリエンテーションにも参加し、自分の留学体験を紹介しています。学生たちが帰国した後には、Eメールを送ってROTEXへの入会を勧めています。ROTEXは、海外留学という貴重な体験をさせていただいたことへの恩返しの方法でもあります。

ほかにどのような形でロータリアンとかかわっていますか?

地元でのロータリー青少年交換行事を手伝ってほしいと、ロータリアンから頼まれることがよくあります。フィンランドでは、交換留学のはじめに行われる言語・文化キャンプの運営を私たちが手伝っています。毎年10~15人のROTEXメンバーが、キャンプリーダーとして参加しています。また、ロータリアンが青少年交換学生のために国内ツアーを実施するときには、運営を手伝ってほしいと声がかかります。

自分たちでも、毎月または隔月で、地区ごとの小規模なROTEXイベントを催しています。また、学校訪問やソーシャルメディアキャンペーンを通じて青少年交換の宣伝活動もしています。ドイツや米国など、国によっては、ROTEXメンバーが募金イベントを実施することもあるようです。私もROTEXフィンランドの会長として、フィンランド青少年交換(Finnish Youth Exchange)の会議に出席し、若い世代を代表して意見を提供しています。

なぜROTEXに入会したのですか?

ロータリー青少年交換でのフランス留学でとても充実した体験をし、帰国後にむなしさを感じていました。ROTEXは、国際的な交流を続け、自分と同じ経験をした人たちと知り合うチャンスを与えてくれます。帰国後に元の生活に戻るのは時として難しいものですが、ROTEXがその苦労を和らげてくれます。

私は、フィンランド北部、北極圏との境にある故郷の町ロバニエミでROTEXに入会しました。大学進学でトゥルク(同国南部)に引っ越したとき、大学で出会った人以外に知り合いがいませんでした。ROTEXのおかげで、医学以外の友だちができました。これは本当に貴重なことだと思います。

この記事は『Rotary』誌2020年10月号に掲載された記事を翻訳したものです。